自分の人生は自分で切り開く! 芯の強さを持った“現代のシンデレラ”と御曹司の胸キュンラブストーリー【書評】
PR 公開日:2025/6/24

“シンデレラストーリー”はどの時代も人気があるもの。本稿で紹介する『君はシンデレラ』(いちかわ有花:作画、葉月りゅう:原作/スターツ出版)は、大人のための現代版シンデレラ。「いつまでも末長く幸せに暮らしましたとさ」では終わらない、結婚後の愛と激動の人生まで描いた極上のラブストーリーです。
小学生の頃に両親が事故で他界し叔父一家に引き取られた主人公・深春。しかし叔父は自分の兄である深春の父と折り合いが悪く、その恨みを深春にぶつけるように。10年近く家族の家事や送迎を押し付けられていました。

その中でも少しずつお金を貯めて、家を出る準備をしてきた深春。ところがもうすぐで目標額が貯まるというその時に、お金が叔父に見つかり、取り上げられてしまいます。どうしてもお金を取り返したくて、叔父にすがりつく深春。その時現れたのが、日本有数の黒凪財閥の御曹司で、黒凪不動産の社長を務めている黒凪奏飛でした。

奏飛がやってきたのは、深春たちが住んでいる家を見るため。深春にとって亡き両親との思い出が詰まった場所でもあるこの家を、叔父が売り飛ばそうとしていることが判明します。もちろん売却の話に入れてもらえず深春は絶望。そんな深春を前に、奏飛は「僕の妻になってくれ」と突然言い出して――。

直球な言葉と態度で深春を守る奏飛にキュン
奏飛はとにかくストレート。初めて来た高級レストランにとまどう深春に「今の君は誰よりも魅力的だ」と伝えるなど、直球な言葉で深春を褒めてくれます。


さらに叔父一家にも奏飛は直球。深春が結婚して家を出ると伝えた時、最後まで高圧的な態度を取る叔父一家に「あなた方の驕慢な態度が目に余りましたので」と進言。叔父をたじろかせます。デートの時も「それなら私の娘を……」と言っていた叔父を一刀両断。そんな奏飛の男らしさとスカッと展開も本作の魅力です。
これまで深春を苦しめてきた一家へのスカッとする反撃!
これまで恋愛すら経験なく、奏飛の言葉に安心したり、赤面したりとリアクションがかわいい深春。しかしただ愛されるだけではない芯の強さが深春の魅力です。
イケメンでお金持ち、どう見ても好条件な奏飛からの求婚を「今までみたいに自分の意思と関係なく生きるならどこに行っても同じ」と一度お断り。奏飛が現れるまでもどうにか自分の力で今の環境から抜け出そうと努力していた深春は、ただ王子様を待つだけではなく、自分の人生を自らの力で切り開く覚悟をもった女性なのです。


黒凪家の親族は財閥一家だけあってかなり厳格。家柄がいいわけではない深春のことを拒絶します。さらにこの一族には“階級制度”という特殊な制度があり、親も兄弟も関係なく“上流・中流・下流”と階級ごとに資産に差がつけられ、その階級に見合った振る舞いが求められるとのこと。そんな環境に、深春はどう立ち向かっていくのか? 今後の展開が気になります
複雑な家庭環境で育ちながらも、芯の強さを持つふたり。まだまだ波乱がありそうな奏飛と深春の行く末に注目です。
文=原智香